『風の中のマリア』百田尚樹


1-16-2014_72
すでに文庫にもなっている。

時流に遅れる読書だ。
新聞の書評とかにずいぶん取り上げられていた『風の中のマリア』をやっと読んだ。
「積ん読」の山から「よみかけ」の山に移し、その後「既読」の山に移せる喜び以上に、毎日読み進むのが楽しかった。

オオスズメバチのマリアが主人公の小説。

と聞いただけで、なにそれ〜?こわいし、興味な〜い!という人もいるかもしれない。
でもね、違う。オオスズメバチってどう猛とか、残忍なハンターとかいわれているけれど、この本を読むと、オオスズメバチが一生懸命生きている姿がじかに見たみたいに伝わってきて、最後には、オオスズメバチが大好きになってしまうのだ。もちろんね、実際、刺されれたら危険。だからそばに近づいてはいけないんだけど。

キイロスズメバチの巣を総攻撃して文字通り肉弾戦になるところなんか、すごい〜。遺伝情報の図解がわかりやすい〜。
闘いのとき、「牙をカチカチ鳴らす」という表現が何度もでてくるんだけど、人間の耳で聞き取れる音なのかな?ちょっと聞いてみたいような気がした。聞けるほどそばにいいる、ってすごく危険だと思うんだけど。人間は一人もでてこない。そして、オオスズメバチの生態だけがおもに語られることで、なんでこんなに元気がでるんだろう。

強い意志と闘志を持って、生きることを全うするマリアをちょっとべっぴんさんに描いてあげた。