ヒダ マリオネット

01172018

磁土でマリオネットのパーツを作ってあった。それを繋いでいただくためにマリオネット作家のヒダオサムさんのところに行ってきた。かつてNHKの教育テレビ(現 Eテレ)に「つくってあそぼ」という工作番組があって、私はその工作スタッフとして出入りしている時期があった。ヒダオサムさんはそのときの工作のボス。牛乳パックや、発泡トレイや、ちょっとしたびんのふたなど、ヒダさんが魔法をかけると、たちまちいのちを得ていきいきと動き始める。楽しいアルバイトだった。そして今回、畏れ多くもそのボスに、助けていただいてしまうこのずうずうしさ。われながらすごいぞ。狭山の茶畑を見ながら駅から歩いて行くと、川沿いの桜並木のなかに、すてきなお家があらわれる。そこがヒダ邸。地下の工房には、大小、そして材質もさまざまのマリオネットたちがいて、部屋のなかの作り付けの棚のなかには、整然と道具類、材料類が分類されて収納されている。 本当に居心地がいい。ヒダさんは、パーツをじーっと見て、どうするか思案してくださる。じーっとじーっとじーっと考えている。少し、パーツを動かしてみたり、配置をかえたりして、さらにじーっとじーっとじーっと。そのあとおもむろに、作業を少しする。そのあと、またじーっとじーっとじーっと考えている。その比、考える時間:作業の時間=7:3 。「考える」ことの大切さをまた改めて実感するその時間の流れ。いったん作業がはじまると、流れるような動きだ。ピアノ線をバーナーでなまして(火をあててやわらなくすること)、ペンチでくるりと曲げる。釣り糸でつなぐ。すると、犬がしっぽをふって歩き始めた!!!「生きてる!」とほんとうに感じる。涙がでちゃう。「この子の名前は?」とヒダさん。まだ決めてなかったんだけど、とっさに「包子(パオズ)」という名前がうかぶ。肉まん、あんまん、みたいなことをこう呼ぶのでしょう? もう一つ、女の子も作っていて、その子の名前は「杏仁ちゃん」に決める。なぜか、中華風。この子たちの本組みをヒダさんがしてくださることになった。どうしよう、嬉しすぎる。お目見えは、3月の個展にて。どうぞよろしくおねがいします(杏仁&パオズより)。