子どもの頃の夢

1-7-2017

郵便物をたくさん持って郵便局にいった。もうすぐグループ展があるので、その案内状を発送しなくてはいけない。土曜日だから、本局にいかないと。
郵便局のひと「何通ですか?」
わたし「総量を一通の重さで割って、算出してください」
郵便局のひと「それはあくまでも、確認の作業ですから、そちらできちんと数字をいってください、それに別納郵便の印がおしてませんね。おしてください」
わたし「えー。しかたない。ではスタンプ押せる機械はどこですか?」
郵便局のひと「故障中です」
というわけで、スタンプとスタンプ台を渡された。この助けてくれない感じ。。。あー。かなりがっくりくる。
奥のテーブルに行き、封筒を並べて、おしてゆく。どれくらい時間がかかるんだろう。もう次の用事が差し迫っているのに。
かなり急ぎながら封筒をさっさか並べて、とんとんスタンプをおしてゆく。うー、スタンプが曲がっちゃったよ。あ、切れちゃったよ。かすれちゃったよ。これはうまくいった。あ、また曲がった。と思いながら、せっせとやる。おしながら、「これって、ほんとは世界一好きな作業なんだよな」と思う。わたしは、子どもの頃から、本当にはんこが好きで、はんこ屋になりたかった。わたしの住んでいた井の頭線沿線の西永福駅の線路沿いに、はんこ屋があって、そこがあこがれの店だった。暗い店内は外からはよく見えない。そこがまた魅力的。母にたのみこんで、お金を出してもらってとうとう住所と名前のはんこをつくってもらった。1週間後、木のはんこができてきたときの嬉しさ!いろんな紙におして、名刺をひたすら作った。あー、この名刺を誰かに渡したいなぁ、とひたすら願った。でも、小学生だったわたしには、渡す相手も思いつかない。結局手作り名刺のストックが増える一方。。。お医者さんのデスクのうえに、いろいろなはんこが置いてあることがある。それをじっくり見せてもらいたいくらい好きだった。大きくなるにつれ、はんこ屋になるには、相当な技量が必要だとわかり、なんとなく諦め始めた。銀行印のレプリカを作る難しさ。不器用なわたしには無理だと思った。とにかく、まだそのころは郵便局でも、図書館でも、おそらく会社でもはんこがよく使われており、そういうはんこを押す機会の多そうな職場にあこがれ続けた(はんこを押すだけの仕事なんて、ほんとはないのにね)。

そんなことを思い出しながら、今日の郵便局でのはんこ作業を小一時間やった。はんこをおし続けなくてはいけない用事があるなんて、夢みたいにすてきなことだった過去のわたしよ、どこいったー?
(グループ展は、1月20日から、銀座の和光です。)