セーター拾わなかった
24/Sat/January/2009/
図書館に行く道すがら、植え込みのうえに、セーターがあるのをみつけた。白い、ほとんど新品みたいなセーター。
アメリカのメーカーで、馬に乗ってる人のマーク。
朝の雨に濡れちゃったかして、水をふくんで重そうだ。
図書館の用をすませて、帰り道、まだセーターはそこにあるのだった。
どうする?これ、拾う?
でも、なんか、そのあと、どうするか、考えが及ばなくて、やめにした。
友人にそのことを話したら、「着るものは、昔から、形代(かたしろ)といって、人の魂のかわりなんだからね。呪術的論理でいえば、病気や災厄を拾うことになるよ。だから、拾わなくてよかったよ」といわれた。
岡野玲子(原作・夢枕 獏)『陰陽師』の11巻にも、安倍清明が、同居する真葛という不思議な女のコに、自分が留守のあいだ、自分の着物を着せかけておく、という場面があった。
ああ、あれが形代かぁ、と思った。
新品のセーターを落としちゃった人は、さぞ、残念だったでしょうねぇ。